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二次電池の熱暴走による熱伝播評価試験について

Abstract
 二次電池は使用過程において、気候的、機械的及び電気的な乱用、またはバッテリー自身の劣化や製造欠陥による損傷に起因した内部短絡により、エネルギーは熱という形で急速に解放され、温度が急激に上昇することは熱暴走という故障が発生する可能性がある。熱暴走の発生はさらに連鎖的に隣接するセルに伝播し、バッテリーシステム全体の火災・爆発等問題を引き起こす要因となる。電池の高容量化により熱安定性が低くなる可能性や、大電流での使用による発熱の増大や隙間なく電池が配置されることによる放熱の疎外などによって、熱暴走の発生確率が高くなる深刻な問題として捉えられている。したがって、バッテリー熱暴走による熱伝播の安全問題はすべての市場に注目されている課題であり、産業機器、蓄電システム、自動車、鉄道及び航空機等市場において様々な国際規格が公布されている。本レポートは熱暴走による熱伝播の試験技術に焦点を当て、各規格の概略内容と試験事例を紹介する。

 

電動車の火災事故がない日本勢と多発する海外勢の違い

Abstract
 昨今、リチウムイオン電池搭載の電気自動車やプラグインハイブリッド車での火災事故とリコールが頻発している。
 しかし一方、過去25年にわたって日本勢の電池を搭載した日本勢の電動車では公道での火災事故は1台も発生しておらず、これは世界に対する大きなメッセージである。中国ローカルメーカーのEV、テスラのEV、韓国勢の電池を搭載した現代自動車と米GMの電気自動車、そして独BMWと米フォードのプラグインハイブリッド車での火災事故とリコールは大きな波紋を呼んでいる。しかし、この差の背景には日本勢の開発思想と基準の高い次元が効果として現れていることで必然的な結果とも言える。ここでは、その論理的な解説をしたい。

 

車載用二次電池充放電評価システムの紹介

Abstract
 リチウムイオン二次電池はその高エネルギー密度、高出力特性により、携帯電話、電気自動車、発電所などその利用用途は拡大を続けており、今や生活に欠かせないキーデバイスの1つとなっている。とりわけ車載用途では排気ガス抑制に関する各国規制を受けてその利用が加速している。このためガソリン車と同等の航続距離や長寿命、高い安全性を目的とした開発が激化しており、これらを評価する充放電システムについても様々な仕様が要求されている。本項では充放電システムと恒温槽を一体設計した全く新しい形の充放電試験システム「アドバンストバッテリーテスター」について紹介する。

 

自動車の電動化にリンクする日韓中電池業界の激突

Abstract
 2018年から強化された米国ZEV規制、同様に中国で19年に発効するNEV規制、そして欧州で21年に発効するCO2排出規制が絡み合い、自動車業界と電池業界にはビジネスモデルとその戦略の重要性が大きくのしかかっている。自動車業界では日本勢が先頭集団を走っているものの、今後はドイツ勢を主とする欧州勢の躍進が予想される。電池業界では日系の電池各社の勢いが低下している一方、韓国のトップ3に見られる大規模投資とコスト低減が効果を発揮し存在感を高めている。さらに、日韓勢に割って入ってきた中国CATLのビジネスモデルは侮れない。今後の各社の生き残り競争をかけた事業競争が始まっている。

 

車載用次世代電池研究の現状と今後の展望

Abstract
 全世界的に自動車の電動化が活発に進められている中、現在のリチウムイオン電池の次に必要とされている次世代革新電池の研究開発に勢いがある。中でも、全固体電池は大学・研究機関はもちろんのこと、トヨタ自動車を始めとする産業界の中でも多くの研究開発費や人的資源を投じており、実用化に期待がかかる。しかし一方では、解決すべき課題も少なくなく実用までの道程は易くない。本稿では、次世代革新電池の現状と今後の可能性について整理する。

 

国連協定規則「UN ECE-R100.Series2. Part.II」試験への取り組み

Abstract
 自動車の動力源として搭載される充電式エネルギー貯蔵システム(REESS)において、国内における国連協定規則「UN ECE-R100. Series2. Part.II」への適合が義務付けられた。認可取得のためには9項目の安全性試験において合格基準を充たしていることが必要となる。認可試験では各国の認可当局が認定した認証機関(以下テクニカルサービスとする)の立会いによる審査が行われる。本稿では各試験における試験条件や、確認しておくべき事項について紹介する。

 

究極のエコカーとしてのEVとFCVの製品戦略と今後の展望

Abstract
 米国ZEV規制、欧州CO2規制、中国環境規制の強化に伴い、全世界的に電動車両系の開発から商品化が展開されている。特に、ZEV規制に関してはゼロエミッション車として定義されているEVおよびFCVの加速と普及を図るものであり、自動車業界にとっては大きな試練となっている。究極のエコカーとして期待されているEVとFCVであるが、それぞれに課題も山積みであり、電池業界や部材業界を巻き込んでの競争力のある製品戦略が求められている。本レポートでは現在の各社の動向と今後の戦略を整理し、そして今後の展望について解説したい。

 

電池関連業界を巡る協業ビジネスモデル

Abstract
 日本の産業界、とりわけ自動車業界、電機業界、電池業界、化学業界等々、これまでは海外の企業との協業や合弁設立などに関して、決して積極的ではなかった。これは、相手と組まなくても独自で事業展開ができてきたというようにも表現できる。
 しかし、例えば業界としては強みをもっている自動車業界でも、上記の点で大きな変化が出ている。電動化や自動運転などビジネスモデルが多岐にわたる、あるいはこれまで以上にコストを下げなくてはならないなど多くの課題が出てきていることが背景にある。
 一方で、海外企業との協業は文化や考え方の相違からうまく進まないケースもあり、日本国内間での協業に比べたら、ハードルは数段高いと言える。うまく進めるようにするためには、失敗の事例などを分析してみることも必要である。

 

リチウムイオン電池の成長経緯と今後の展望

Abstract
 リチウムイオン電池(LIB)とは "カーボン材料を負極活物質にし、リチウムイオン含有遷移金属酸化物(LiCoO2)を正極とする非水系二次電池"のことである。このリチウムイオン電池は携帯電話。ノートPCなどのIT機器の電源として広く用いられてきた。さらに現在では電気自動車などへの応用が始まってきており、次の時代を迎えようとしている。このリチウムイオン電池の成長経緯と今後の展望について述べる。

 

自動車および電池各社の電動化ビジネスモデルと投資攻防

Abstract
 昨今のグローバル市場において、自動車の電動化が加速されている。遅れをとってきた欧州勢も、プラグインハイブリッド車や電気自動車を軸に商品開発し、市場に供給している。そして近年、中国市場での活発な動きがある背景には、中国政府の補助金制度の拡大などの政策があげられる。自動車各社も電動化戦略を積極的に進める中、中国市場に関しての投資を拡大しつつある。一方、電池各社の中では、いち早く韓国のサムスンSDIやLG化学が、中国にリチウムイオン電池の生産工場を建設した。そして、漸くパナソニックも現地に生産工場を建設する投資を決断した。激化する競合領域において、中国市場での攻防は今後の各業界の勢力図を決める大きな要素となる。

 

NO.83 車載リチウムイオン二次電池安全性試験の温度依存性の検討 ~外部短絡電流の温度依存性~

Abstract
 車載電池の本格普及に伴い実環境を考慮した安全性試験のニーズが高まっている。自動車用二次電池の安全性試験における新たな技術課題として、低温(‐40℃)環境における外部短絡試験の背景と当社の実験考察を紹介し、「環境+安全性試験」の有用性と技術課題を説明する。

 

NO.82 自動車業界と電池業界の動向に連動したエスペックモデル

Abstract
 エコカー開発は自動車業界にとって避けられない課題である。このビジネスに遅れることは、生き残り競争にあって致命的な問題に発展する。内燃機関自動車にはなかったコンポーネントやデバイス、そしてシステムの開発は、これまで各自動車メーカーが培ってきた技術分野と違うことから、開発人材の育成、開発プロセス、新技術の研究開発体制など、従来の経験値の延長上に無いものが多い。  そのような中、最たるものが電池技術であり電池システムである。電池業界も自動車業界のニーズに対して的確なソリューションが求められている。電池業界としての生き残りは、自動車各社との連携がどれだけできるかにかかっている。車載用電池の開発、自動車メーカーと電池メーカーの連携、海外生産投資にも最近では国内外での大きな動きがある。  このような各業界の動向と研究開発に連動する形で、エスペックの後方支援ビジネスモデルは、各業界の開発効率の向上と製品信頼性の確保に大きな役割を担うものである。

 

NO.80 エコカーを巡る自動車業界の戦略と関連業界のビジネス展望

Abstract
 2014年12月にはトヨタ自動車が燃料電池自動車(以下、FCV)「ミライ」を発売したことで、日本はもちろん、世界中の話題を呼び寄せた。この結果、車両の電動化はハイブリッド車(以下、HEV)、家庭での充電も可能なプラグインハイブリッド車(以下、PHEV)、電気自動車(以下、EV)、そしてFCVと、一通りの商品群(以下、xEV)が市場に出回ったことになる。
今後の自動車産業界においては、電動化の加速が業界勢力図を変える要素ともなり、関連する重要コンポーネントである二次電池、モーター、パワー半導体分野、さらには素材・部材領域、評価・解析装置産業、試験受託ビジネスなどへ大きな影響力をもたらす。
一層活発になっていくxEVに関する動向、そして自動車業界の生き残りと業界競争力について、新年の節目に考えてみたい。

 

Abstract
 より長期間・安定的に稼働する太陽光発電システムを目指して、その主要構成要素である太陽電池モジュール(太陽電池パネル)の寿命推定などに資する知見を集積するため、性能評価手法のひとつとして、太陽電池モジュール発電特性パラメータを簡易に推定する方法を検討した。その結果、一般的表計算ソフトウエアを用いて、これらパラメータを比較的容易に推定することができ、屋内加速試験で生じる太陽電池モジュールの性能変化を、発電特性パラメータの変化として的確に把握できるようになった。本稿では、基礎情報を交えて、その概要を紹介する。

 

 

Abstract
 リチウムイオン電池産業界におけるビジネスモデルは、小型民生用、車載用、定置用で大きく異なり、競争力向上のためには、それぞれの性格を把握した上でのきめ細かな戦略が重要と考えられます。その中でも、車載用LIBの技術開発とビジネスモデルは世界規模での競争が激化しつつあり、今回は取り巻く市場動向、ビジネスモデル、信頼性確保と安全性の確立について解説します。

 

 

Abstract
 最新のニュースやトレンドをまじえ、車載用電池業界の課題に向けた今後の取り組みなどを解説します。

 

 

Abstract
 エスペックのリチウムイオン二次電池の受託試験事業と信頼性試験について、
 試験規格のトレンドや市場のニーズをまじえながらご紹介いたします。

 

 

Abstract
 車載用二次電池の開発動向と技術的課題について、具体的な事例を交えて解説します。

 

 

Abstract
 太陽電池モジュールの長寿命が求められている中で、現在実施されている試験は認証試験にとどまっているため長期信頼性を保証できない。そのため、市場からは長期信頼性を確保できる加速試験が求められているが従来の加速試験では試験時間が長いことが課題となっている。本研究は、産総研との共同研究を通して市場で発生している不具合を調査し、新規加速試験である荷重サイクル試験について検討を行った。

なお、本文の内容は、第22回RCJシンポジウムにて報告した内容を一部追記、再構成したものです。

 

 

Abstract
 リチウムイオン二次電池は,スマートフォン,ノートパソコンのなどのバッテリーや電気自動車,蓄電装置など,非常に幅広く使われており,長寿命化・高容量化など研究も盛んになっている.リチウムイオン二次電池が熱暴走すると,最悪の場合,発火・爆発に至る危険があるため,安全性試験ではもちろんのこと,充放電サイクル試験などの性能評価試験においても,安全性には十分に配慮しなくてはならない.本稿では,リチウムイオン二次電池の強制加熱ならびに過充電試験における挙動や熱暴走のプロセスの確認,電池が爆発したときの安全機構の有無による影響の検証,恒温器の安全機能の実施検証結果について述べる.

なお,本文の内容は,日科技連 第42回 信頼性・保全性シンポジウムにて報告した内容を一部追記,再構成したものです.

 

 

Abstract
 新たな固定価格買取制度の開始により注目を集めている太陽光発電について、太陽電池モジュールの長期信頼性の確保を目指した試験方法などの最近の話題をご紹介します。特に、国際連携により進められているオープンフォーラム「太陽電池モジュール信頼性国際基準認証フォーラム [International PV Module Quality Assurance Forum]:略称= PV-QAフォーラム」の概要と動向を中心に、新たな試験規格などの策定へ向けたトレンドをまとめます。

 

Abstract
 普及が期待されている電気自動車やプラグインハイブリッド車では、搭載される二次電池の耐用年数は10年以上が目標とされています。また定置型蓄電池においてもより長い耐用年数が求められており、二次電池の加速試験に期待が高まりつつあります。本稿では、加速試験で多くの実績がある半導体・電子部品・電子機器と対比して、リチウムイオン二次電池の加速試験の現状と課題について述べます。

 

Abstract
 近年の環境意識の高まりやエネルギー需給を背景に、ガソリン自動車に代わる、電気自動車(以下、EV)の普及が期待されている。中でも二次電池技術はEVの基盤であり、その重要性が高まっている。EV用電池には、高容量化や高い安全性を実現するために、ニッケル水素電池に比べてエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池が用いられ、性能試験や安全性試験など様々な評価が進められている。当社では、リチウムイオン二次電池の評価を行う上で広く利用されている環境試験器や、充放電装置などの評価装置の開発に取り組んでいる。本稿では、リチウムイオン二次電池の基本的な評価方法について紹介する。

 

Abstract
 低炭素社会の実現に大きく寄与するであろう太陽電池システムにおいて、その中核部分を担う太陽電池モジュールの信頼性・寿命という観点から近年の動きを概説する。特に、今・なぜ太陽電池モジュールの信頼性向上・長寿命化が求められているかという問題提起をもとに、現状の試験方法・試験装置の特徴を整理するとともに、今後の信頼性試験方法を考察する。

本レポート内で紹介しています試験事例はRE2010(再生可能エネルギー2010国際会議)にて報告したものです。

>>RE2010発表論文Author Version(英文)
>>再生可能エネルギー2010国際会議(日本語)
>>再生可能エネルギー2010国際会議(英語)

 

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